| 性別 | 男性 |
|---|---|
| 転職時の年齢 | 48歳 |
| 最終学歴 | 大学卒業 |
| 転職前の勤続年数 | 10〜20年 |
| 転職経路 | ハローワーク |
| 利用した転職サービス | リクルートエージェント、ビズリーチ |
| 応募社数 | 7〜10社 |
| 転職活動の期間 | 1〜3か月 |
| 転職した年 | 2026年 |
| 総合満足度 | ★★★★★ 4(満足) |
| 転職前 | 転職後 | |
|---|---|---|
| 業種 | 転職前メーカー(機械・電気) | 転職後メーカー(機械・電気) |
| 職種 | 転職前機械・電気・素材・化学・食品などの技術職 | 転職後機械・電気・素材・化学・食品などの技術職 |
| 年収 | 転職前600〜800万円 | 転職後400〜500万円 |
| 雇用形態 | 転職前正社員 | 転職後正社員 |
※本記事は個人の感想・実体験に基づくものです
18年間、家族との時間を犠牲にして働いてきた
「今度の行事、来られそう?」と聞かれるたび、「その週は出張だ」と答える。前の会社にいた18年間、家族とそんなやり取りを何度繰り返したか分かりません。
機械の組立、設置、メンテナンスが私の仕事でした。客先に出向く仕事なので出張は避けられず、多い年は年間120日ほど家を空けていました。残業も多く、家にいられる日でも帰宅は遅くなりがちです。
気づけば、家のことも子どものことも、妻に任せっきりになっていました。学校のこと、地域のこと、日々の細々とした用事。私が出張先で仕事をしている間、家のことはすべて妻が回してくれていたのです。
若いころは、それが当たり前だと思っていました。ただ、40代も後半にさしかかったころ、ふと気づいたのです。このままでは「家族と過ごす時間がほとんどないまま定年を迎えてしまう」と。
仕事の内容に不満はありませんでした。変えたかったのは働き方です。48歳、私は転職を決意しました。
活動期間2か月、応募7社
転職活動の期間は約2か月、応募したのは7社です。リクルートエージェントやビズリーチなどの転職エージェントサイトにいくつか登録し、並行してハローワークにも通いました。
働きながらの活動なので、求人を見比べたり書類を用意したりできるのは、平日の夜と休日だけです。48歳という年齢もあり、正直、簡単には見つからないだろうと覚悟していました。
最終的に今の会社を見つけたのは、意外にもハローワークです。地元の求人で、機械保全の仕事、そして出張なし。この条件を見た瞬間、「ここだ」と思いました。
一方で、反省もあります。当時の私は「早く次を決めたい」という気持ちが強すぎました。在職しながらの転職活動は精神的に落ち着かず、内定が欲しい一心で、今の会社に急いで決めてしまったのです。
給与条件をもっと冷静に比較検討すべきだったと、今は思います。
面接で聞かれた3つの質問
面接では、これまでの仕事について深く聞かれました。特に印象に残っている質問が3つあります。
1つ目は「今までの仕事での失敗と、それをどう乗り越えたか」。私は、自分ひとりで抱え込まず、周りに協力してもらいながら乗り越えてきたと答えました。かっこいい答えではないかもしれません。ただ、18年の現場で学んだ本音でした。
2つ目は「これまでの改善事例を挙げてください」。作業効率を上げるために治具を自作した話と、道工具を探す時間を減らすために3定管理(定位置・定品・定量)を実施した話をしました。長く現場にいた人間にしか話せない内容を選んだつもりです。
3つ目は「部下をどう育てたか」。ここで私は、自分の信条を口にしました。「100回怒るより、100回訓練させました」。
叱って覚えさせるのではなく、体で覚えるまで繰り返し練習させる。この答えには手応えがありました。後から思えば、この面接でのやり取りが採用につながったのだと思います。

給料は3割減、出張はゼロに
正直に書きます。給料は約3割減りました。出張手当と残業代がなくなった影響は大きく、月々の手取りを見たときは、分かっていたこととはいえ、こたえました。
家計の見直しも必要になりましたし、「本当にこれで良かったのか」と考えた夜もあります。
一方で、得たものもはっきりしています。出張がゼロになりました。毎日、自分の家に帰れます。平日に家族と夕食を食べられる。週末の予定を出張に潰されない。
18年間、妻に任せっきりだった家のことや子どものことにも、ようやく関われるようになりました。冒頭の「今度の行事、来られそう?」という問いにも、今は「行けるよ」と答えられます。当たり前のことが、こんなにありがたいものだとは思いませんでした。
今は機械の保全を担当しており、これまでの組立・メンテナンスの経験がそのまま活きています。仕事内容への不満はありません。
満足7割、不満3割。得て手放す選択
満足か後悔かと聞かれれば、「満足7割、不満3割」というのが率直なところです。満足の中身は時間、不満の中身はお金です。
これから転職する人に伝えたいことは、2つあります。
1つは、焦って決めないこと。私は2か月で決着をつけたい気持ちが先行し、給与条件の確認や他社との比較を十分にしませんでした。在職中の転職活動はつらいものですし、年齢を重ねるほど「早く決めたい」という焦りは強くなります。
それでも、生活に直結する条件こそ、時間をかけて見極めてほしいと思います。
もう1つは、自分が何を一番優先するのかを、活動を始める前にはっきりさせておくことです。私の場合は「家族との時間」でした。だから給料が3割減っても、転職したこと自体は後悔していません。
優先順位さえ決まっていれば、多少条件が悪くても納得して選べます。逆にそこが曖昧なままだと、どんな会社に入っても不満が残るはずです。
転職は、何かを得て何かを手放す選択だと、身をもって知りました。私は収入を手放し、家族との時間を得ました。手放したものより得たもののほうが大きいと思えるかどうかは、自分の優先順位で決まります。
48歳からの転職でも、道はありました。この体験記が、これから転職を考える方の参考になれば幸いです。
この体験談からわかること
この体験談は、機械のメーカーで長く働いてきた48歳の男性が、同じ機械保全の仕事へ移った記録です。年収は下がりましたが、出張の多い働き方から出張のない働き方へと大きく変わりました。総合満足度は星4つで、給料面には心残りを抱えつつも、全体としては前向きな受けとめ方をされています。
同じ業界・同じ職種のまま、働き方だけを変える転職を考えている方の参考になる内容です。とくに、収入と時間のどちらを優先するか迷っている人にとって、判断のヒントが多く含まれています。
現場でつちかった経験を、面接でどう伝えるか
この体験談で目を引くのが、面接での受け答えです。ご本人は改善の工夫として、道具を探す手間を減らす整理のしくみや、作業を楽にする自作の器具の話を選びました。部下の育て方を問われた場面では、叱るより体で覚えるまで繰り返させたと答えています。
どれも、長く現場に立った人にしか語れない具体的な中身です。ここから読者が学べるのは、経験を「がんばりました」で終わらせず、目に見える行動と結果に落として話す大切さでしょう。何を減らし、何を変え、周りがどう動いたか。この順で話すと、聞き手にも伝わりやすくなります。
他方でご本人は、内定がほしい一心で急いで会社を決めたことを反省点として挙げています。強みの伝え方は上手でも、条件の見きわめは別の話。この2つを分けて考える視点は、多くの人に当てはまるはずです。
採用の連絡が来てからが本番。給料の見きわめ方と条件の確かめ方
ご本人が悔いていたのは、給与条件をもっと冷静に比べればよかったという点でした。ここは、これから動く読者にこそ知っておいてほしいところです。会社から採用の連絡が届くと、多くの場合、労働条件を書いた書面が渡されます。これは会社が働く人に交付する義務のある大切な書類です。
まず見るべきは、求人の内容や面接で聞いた話と食いちがいがないかどうか。給料は総額だけでなく、基本給と手当の内わけや、固定残業代が含まれていないかまで確かめると安心です。休みの書き方にも注意が必要で、「週休2日制」と「完全週休2日制」では意味がちがいます。前者は毎週2日休めるとは限りません。
給料の相談をしたいときは、切り出すタイミングも大事です。面接の早い段階で自分から持ち出すと、仕事より条件を重く見ていると受けとられることがあります。希望を聞かれた場面や、内定後の面談の場で伝えるほうが自然でしょう。求人探しでは、地域の求人に強いハローワークと、採用に積極的な会社の求人が集まりやすいエージェントを組み合わせると、選べる幅を広げられます。
まとめ
収入を手放して家族との時間を得た、48歳の働き方を変える転職でした。強みの伝え方が採用につながった一方、条件の見きわめには心残りが残っています。採用の連絡が来たら書面で条件を確かめ、給料の相談は切り出す場面を選ぶ。この2点を押さえるだけでも、入社後の後悔はぐっと減らせるはずです。
