| 性別 | 男性 |
|---|---|
| 転職時の年齢 | 36歳 |
| 最終学歴 | 専門学校卒業 |
| 転職前の勤続年数 | 5〜10年 |
| 転職経路 | 転職エージェント |
| 利用した転職サービス | doda |
| 応募社数 | 11社以上 |
| 転職活動の期間 | 3〜6か月 |
| 転職した年 | 2019年 |
| 総合満足度 | ★★★★★ 3(普通) |
| 転職前 | 転職後 | |
|---|---|---|
| 業種 | 転職前メーカー(素材・化学・食品・化粧品など) | 転職後商社 |
| 職種 | 転職前営業 | 転職後営業 |
| 年収 | 転職前400〜500万円 | 転職後600〜800万円 |
| 雇用形態 | 転職前正社員 | 転職後正社員 |
※本記事は個人の感想・実体験に基づくものです
好きな仕事、でも会社の体質に限界を感じて
私は100年以上続く老舗メーカーで、営業として約8年間勤務していました。主要顧客を担当し、業界内ではメーカー同士の横のつながりも強く、仕事そのものはとても好きでした。取引先の方々にも本当によくしていただき、この仕事を続けたいという気持ちは強くありました。
また、業界全体として給与水準も比較的高く、不満ばかりだったわけではありません。それでも転職を決意した理由は、仕事ではなく会社の体質に限界を感じたからです。
オーナー企業の理不尽さと、後継者への不安
私が勤めていた会社はいわゆるオーナー企業でした。オーナーの発言は絶対で、たとえ白いものでも「黒だ」と言われれば黒になるような環境でした。現場の意見が通ることはほとんどなく、理不尽なことも少なくありません。
当時、オーナーは70歳を超えていました。そのため「あと数年耐えれば世代交代するだろう」と自分に言い聞かせながら働いていました。しかし、その後継者だった婿養子専務を見て、その考えは甘かったと気づきます。
専務は外部コンサルタントの話をそのまま鵜呑みにし、現場を十分に理解しないまま新しい制度や方針を次々と持ち込んでいました。結果を出したいという気持ちは伝わるものの、経験や実力が伴っておらず、現場との温度差は広がるばかりでした。
「あと数年耐えれば…」ではなく、「この人はあと何十年も会社にいる。先に会社を去るのは自分だ」。そう思った瞬間、転職を決意しました。
転職活動ではdodaとマイナビに登録し、「さあ、新しい会社へ行こう」と意気込んでスタートしました。実は私は20代でも一度転職を経験しています。当時は応募すれば8割近くの企業から面接や内定をいただけるような状況でした。
100社以上に応募、届くのはお祈りメールばかり
そのため今回も、ある程度は順調に進むだろうと思っていました。ところが現実は全く違いました。書類を送っても送っても、お祈りメールばかりです。
気づけば100社以上に応募していたと思います。最初の10社、20社はかなり落ち込みました。「年齢のせいなのか」「自分には市場価値がないのか」と、自信を失いかけたこともあります。
それでも生活があります。立ち止まるわけにはいきません。途中からは感情が薄れ、転職活動そのものが事務作業のようになっていました。
求人を探し、応募し、お祈りメールを受け取り、また次を探す。その繰り返しです。面接の案内が届いても、「この会社、何をしている会社だったかな」と思い出せないほど応募していました。
もちろん、小さな会社やベンチャー企業、正直なところ「ここはブラック企業ではないか」と感じる会社からは内定をいただくこともありました。しかし、私は「次こそ最後の転職にしたい」と考えていました。だからこそ妥協せず、納得できる会社が見つかるまで粘りました。
大手グループ企業からの内定
そんな中、doda経由で大手企業グループ会社の求人を紹介されました。実はその頃、並行して2社から内定をいただいていました。一社は素材メーカー、もう一社は地元のガス会社です。
どちらも魅力的な会社でした。ただ、前職でオーナー企業に苦しんだ経験から、「次はコンプライアンスが整った大手グループで働きたい」という思いが強くありました。
選考はSPIに加え、面接が3回。さらに最終面接後も約1か月間回答を保留とされ、本当に落ちたと思っていました。ようやく内定の連絡をいただいたときは、本当にうれしかったことを覚えています。

転職後、年収は約200万円アップ
転職後、年収は約200万円アップしました。生活にはかなり余裕が生まれ、その分を子どもの学習費に充てられるようになりました。大手企業のグループ会社に転職したという安心感は、自分だけでなく妻や妻の両親にも喜んでもらえました。
福利厚生についても、前職とは比べものになりません。有給休暇の取得や各種制度、コンプライアンスの整備など、「これが大手企業なのか」と驚くことがたくさんありました。
前職では、オーナーの逆鱗に触れたことで詫び状を書かされ、その年の冬のボーナスがわずか5万円だったこともあります。今思えば、あの環境はかなり特殊だったのだと感じています。
大手企業には大手企業ならではの悩みがある
ただ、転職してすべてが解決したかと言われれば、答えは「いいえ」です。大手企業には大手企業ならではの悩みがあります。特に驚いたのは会議の多さでした。
会議のための資料を作る会議。その会議の事前打ち合わせ。終わった後の振り返り会議。営業として「その時間があればお客様のところへ行った方が良いのでは」と思う場面も少なくありませんでした。
正直、「内容のない会議のために、また内容のない会議をしている」と感じることもあります。オーナー企業とは違うストレスですが、結局どの会社にも不満はあります。
ストレスゼロの転職先なんてない
転職して強く感じたのは、会社が変わればストレスがゼロになるわけではない、ということです。だからこそ、転職を考えている人に伝えたいことがあります。
もし今の会社で働き続けられるなら、それも一つの正解です。無理をして転職する必要はありません。でも、心や体を壊すほど我慢する必要もありません。本当に限界なら辞める勇気も必要だと思います。
結局大切なのは、自分が何を優先して働くのかを決めることです。年収なのか、働きやすさなのか、人間関係なのか、仕事内容なのか。すべてが完璧な会社は、おそらくありません。
私自身、年収は200万円上がり、福利厚生も大幅に改善されました。その反面、大企業ならではの非効率さに戸惑うこともあります。それでも、あの時転職したことは後悔していません。
人生の大半は仕事の時間です。だからこそ、定年までどうすれば納得して働き続けられるかという視点で会社を選ぶことが、何より大切なのではないかと思っています。

年収が上がっても、満足度が普通だった転職
これは、30代半ばの男性が老舗メーカーの営業から、大手グループの商社へ移った体験談です。仕事も待遇も悪くないなか、会社の体質に見切りをつけて動いた点が特徴です。年収は上がり、福利厚生も大きく改善しました。
それでも満足度は普通にとどまっています。会社を変えれば悩みがなくなるわけではない、という等身大の視点が参考になります。転職を考えているけれど、本当に動くべきか迷っている人の参考になる体験談だと思います。
20代の転職と同じ感覚では通用しなかった
ご本人は20代でも転職を経験しています。そのときは応募すれば8割近くから面接や内定をもらえたそうです。ところが今回は100社以上に応募しても、返事はお祈りメールばかりでした。同じ人でも、年齢や時期が変わると結果は大きく変わります。うまくいかない時期が続くと、不安になるのは当然です。
これはご本人の実力が足りないからではありません。30代になると、企業が求める経験や役割がはっきりしてきます。募集の枠も若手より少なくなりがちです。若い頃ほど手ごたえがないのは、よくあることです。
もし応募しても選考に進めない時期が続いたら、数を増やす前に一度立ち止まってみてください。特に効くのが職務経歴書の見直しです。自分の実績が採用担当に伝わる書き方になっているか、応募先の求める経験と自分の経歴が合っているかを確かめてみましょう。ここを見直すと、書類選考の通過率が上がることもあります。
オーナー企業で働く前に知っておきたいこと
ご本人が限界を感じたのは、オーナーひとりの考えで何でも決まる会社でした。これはオーナー企業によくあることです。良い面と悪い面の両方があると知っておくと、会社選びで迷いにくくなります。
良い面は、決めるのが速いことです。社長がその場で判断するので、話がどんどん進みます。長い先を見た思い切った決断もしやすいです。ただし、社長の考えをチェックする人がいないと、判断ミスがそのまま会社の問題になります。社員の評価も社長の気分で決まりやすく、給料や昇進の仕組みが整っていない会社もあります。
入る前に、いくつか確かめておくと安心です。面接で、社員が平均してどれくらい長く働いているかを聞いてみましょう。その質問にごまかさず答えてくれるかどうかを見てください。あわせて、評価の基準がきちんと文書化されているかも確かめておくと安心です。会社のホームページなどで、社長の家族以外にも役員がいるかを見ておくのもいいでしょう。こうした点に正面から向き合っている会社なら、規模が小さくても安心して働ける可能性が高いといえます。
まとめ
好きな仕事を手放してでも、会社の体質を理由に転職した体験談でした。年収と福利厚生は改善しても、会議の多さなど新しい悩みは残ります。オーナー企業を選ぶときは、意思決定の速さと引き換えのリスクを事前に確かめておくことが大切です。何を優先するかを自分で決めてから動けば、転職後の納得感は高まると思います。
